「木を植える人を育てる」
SOMPO環境財団の理念「木を植える人を育てる」の“木を植える人”とは、自身が環境保全活動に取り組むことに加え、周囲にそのマインドを広げていける人材のこと。主な活動の一つである「CSOラーニング制度」は、環境分野に関心を持つ学生を環境CSO(Civil Society Organization:市民社会組織)に8か月間有償でインターン派遣し、現場での学びと仲間との交流を通じて彼らをエンパワーメントする活動です。
修了生の歩みからは、この制度が彼らの転換点となったことが感じとれます。今回、ご自身の経験を共有してくれた修了生のみなさんに、心から感謝申し上げます。
世界への架け橋
青山優菜さんは、自分の将来の役割を見つける目的で参加しました。「様々な活動を楽しみながら全力でやり抜いたことで、次の一歩を踏み出すことができました」。国際協力に関わる活動の理解を深め、大学卒業後はインターン先の公益財団法人オイスカにそのまま就職し、ウズベキスタンで活動されました。
CSOラーニング制度はインドネシアでもNGO Learning Internship Programという名称で展開しています。Aulia Rahmanさんは、現在インドネシアの環境林業省にて主に現地の環境保護と地域社会の福祉に携わっています。「研修に参加しDetara Foundationのインターンシップで得られた経験とスキルは、私のキャリアに大きな影響を与えました」。
新たな出会いと強い絆
実際に現場に出て、CSOスタッフと共に活動するからこそ、得られることがあります。
多くのCSOは正解のない難しい課題に挑戦しており、想定外のことに多々直面します。武井七海さんは、研修を通じて厳しい状況下でも目指したい未来に向けて「どう行動すべきか」を考える力を身につけ、現在の一般社団法人Protect Our Winters Japanの活動にも、その思考方法を生かしているそうです。
飯田貴也さんは、この制度を通じてCSOスタッフという働き方や社会教育の重要性を知り、現在はNPO法人新宿環境活動ネットの代表理事としてCSOラーニング生を受け入れています。「参加した方に良い経験を授けることが、次の“木を植える人”への種蒔きとなり、持続可能な未来を切り拓くことに繋がります」。
ネットワーキングの重要性を教えることも、この制度の重要な一面です。楊潔さんは「制度を通じて、様々なコミュニティと繋がることができました」と振り返ります。富山大学研究推進機構で研究や教育に従事する現在も、研修先の団体との交流が続いていることを喜んでいました。
修了生が社会の様々な場所で輝く姿は、私たちの大きなやりがいであり、まさにSOMPO環境財団の理念を体現する存在です。
環境省で行政官として働く遠矢駿一郎さんは「CSOラーニング制度は、環境問題に自分事として向き合う人材を、環境分野に留まらず、他の分野でも輩出しています」「修了した後でも、環境問題のような社会的課題に向き合うときに、立場に関係なく、腹を割って話せる仲間がいることは、とても心強いことです」と教えてくれました。
熱い志をもつ仲間と共に未来を創っていく学生たちへ向けて、これからもこの豊かな学びの機会を提供し続けることを楽しみにしています。